(photo by 足成)
ローソファやローベッドに人気があるのは、単に部屋が広く見えるから、という理由だけではない気がします。
日本人のライフスタイルは本来、床に座るライススタイルです。
床に座るという表現よりも、玄関で靴を脱いで家にあがるライフスタイルという方がいいかもしれません。
洋風化が進んだと言っても、家の中まで土足のまま入るライフスタイルをされている方は日本ではまだ少ないと思います。
土足のまま部屋に入り、靴を脱ぐのはお風呂とベッドに入る時ぐらいというライフスタイルでは、家の中に土や汚れが多く運び込まれます。
それゆえに床ではなくテーブルや椅子、ソファおよびベッドといった家具は全て床から距離を置くように長い脚を持つ作りになったのではないかと、著者は考えています。
そう考えると日本のライフスタイルでは、本来長い脚を持つ家具を置く必要があまりないんですね。
著者が不動産業に従事していた頃の知識を持ち出しますと、6帖1Kの間取りの部屋というのは今ではほとんど建築されていません。そういう間取りの部屋が多く作られたのは、今から20年以上前のことです。
その頃の建築・設計を行っていた多くの人は、いわば昔気質の職人さんですから、基本的に床に座る生活を前提として部屋を設計しています。和室の部屋だってたくさん作られていました。今の賃貸マンションでは考えられないですね。
今はそういう部屋もほとんどはリフォームされ洋室化されています。
お部屋探しをしてて、クローゼットが畳一枚分くらいの大きさの部屋などを見掛けたことはありませんか。
それは元々一間の押入れだったのをリフォームしてクローゼットにしたためだったりします。
元は和室でも今は洋室にリフォームされてるなら、別に問題ないと思われるかもしれませんが、床に座る生活を前提とした基本的な部屋の構造は変わりません。
どういうことかというと、床に座る生活を前提としているため天井が低いんです。
目安としては床から天井までの長さが220~230cmくらいなら、低めの天井、元々座る生活を前提とした部屋なんだと考えてもらっていいと思います。
このような部屋ではダイニングテーブルやチェア、ソファなどを置くと頭から天井までが近くて、非常に圧迫感を覚えます。
高級感を売りにした事業用の単身向け分譲賃貸マンションでは今でも6帖1Kの部屋が設計されたりもしますが、そのような部屋は大抵天井が高く作られています。
ご自身の部屋が果たして椅子か床、どちらに座ることを前提とした構造になっているのか、一度確かめておくことは家具選びの目安にもなると思います。
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