(image by 足成)
先日、明石家さんまさんが司会を務める「ほんまでっかTV」で、
室内照明についていろんな専門家の方々から諸説や意見が取り交わされていました。
中でも興味深かったのは、照明の設置位置による心理状態への働きについてでした。
日本で室内照明といえば、天井にぶら下がったペンダントタイプか、
天井にぴったり張り付いたシーリングタイプが主流ですが、
照明は天井よりもむしろ足元など目の高さよりも低い位置にある方が、
人間心理へはいい影響を与えるというものでした。
まず照明は大雑把に話しますと、色温度と照度という要素で成立します。
色温度というのは「光の色合いを示す尺度」で、これが低いと赤っぽいオレンジがかった色味となり、
高くなるにつれて昼間の太陽光のような白っぽい色味になっていきます。
照度というのは簡単に言いますと「明るさ」のことです。
照明のこれら二つの要素は、人に実際の太陽の光を連想させて日常的に私達の心理状態に影響を与えています。
例えば昼間のような白っぽい色の明るい照明の下にいると、
さわやかな気持ちになり活動的になると言われています。
またオレンジがかった色の比較的控えめな明るさの中では、
人は落ち着いた気持ちになり、リラックスできるとも言われています。
ここに照明を設置する「高さ」という要素が加わりますと、さらに効果が高まります。
具体的には色温度の高い白っぽい、明るめの照明なら天井など高い位置に設置する方が効果的ですし、
逆に色温度の低い、オレンジがかった、落ち着いた照明は低い場所や足元などを照らす方が効果的ということです。
より太陽の光の動きに似せた位置の方がいいということですね。
仕事から帰宅したら、部屋でゆっくりしたい、
リラックスしたいというのは、多くの人が思うことではないでしょうか。
そう考えると部屋の照明は色温度の低い、
オレンジがかった落ち着いた照明で低い場所や足元などを照らす方がいいと言えます。
そしてもう1点、光源の種類について述べたいと思います。
蛍光灯というのは意識的に認識することはできませんが、実は物凄い速さで点滅を繰り返しています。
いわばガラス管の中でずっと稲光が断続的に繰り返されてるようなものです。
この点滅は意識的に認識はできなくても、
視覚情報としては知覚はされていて、私達は気づかない内に刺激を与えられ続けています。
その結果どうなるのかというと、簡単に言えば目が疲れます。
(これは個人的な見解ですが、もっと言えば脳の視覚情報領域野に、
「明」「暗」に関しての無駄なメモリーが繰り返し蓄え続けられるため頭が疲れやすくなると考えています)
対して白熱灯や電球などは、フィラメントが過熱され光を放ちます。
これはいわば燃焼による発光で、火や炎が放つ光に近いものです。
そして太陽も放電による光を放っているのではなく、燃焼による光を放っています。
暗い部屋などでローソクの火を見つめていると気持ちが落ち着いたりしますが、
どうやら私達には火や炎といった類の光の方が、よりリラックス効果は高いようです。
日本の住宅では天井照明が主流ですが、ホテルなどでは天井に照明がなく間接照明で壁を照らしたり、
フロアスタンドやフロアランプといったもので足元から室内を照らしているのにも着目したいですね。
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